国際人権論=国際人権法 ([すべての]人の 基本的 「権利」 の権利とは、「法」的権利である。
授業の副題
基本的人権の国際的保護
授業の目的・内容・概要
20世紀において,国際社会のあらゆる面で,それまで考えられなかった大きな変革があった。人権の国際的保護の
面もそのひとつである。人権の保護は近代市民革命の後,もっとも重要な社会機能のひとつとされ,各国の憲法や人
権宣言によってその確保が目指されている。しかし,20世紀になり,南アフリカのアパルトヘイトに見られたように,最
も強力な人権侵害が国家によってなされる事例もあり,個々の国家だけでは充分な保護がなされないことがはっきり
してきた。
第2次世界大戦後に国連が活動を開始するようになると,まず,人権の国際的保護の動きが活発に行われることに
なった。人権委員会の設置や,世界人権宣言の採択がそうである。20世紀から21世紀にかけては,個々の具体的権利
に関する諸条約がいくつも採択され,女性差別撤廃条約,子どもの権利条約,人種差別撤廃条約など,多くの条約が
国際法として機能するようになっている。
授業のスケジュール
1週. 人権保障システムの多元化と権利主体の多様化
2週. 人権の国際的保護の意義
3週. 人権の国際的保護の歴史(1)(仏人権宣言と米国独立宣言)
4週. 人権の国際的保護の歴史(2)(国際連盟とILO)
5週. 人権保障と国連システム(1)(国連人権委員会等)
6週. 人権保障と国連システム(2)(その他)
7週. 人権保障のための普遍的条約(1)(国際人権規約等)
7週. 人権保障のための普遍的条約(2)(選択議定書他)
8週. 人権保障の地域レジーム
9週. 女性の権利
10週. 子どもの権利
11週. 労働者の権利
12週. 難民の権利
13週. 先住民族の権利
14週. 開発と人権
15週. 論文作成
指導方法(指導の形態と方法,学生の自宅学習で期待するもの)
法学や国際関係法で学んだ知識および国際社会と国内社会の違いや比較を踏まえて,やや高度で幅広い視点から国
際人権論を学んでいく。したがって,授業中はもとより,自宅学習をきちんとする必要がある。
成績評価方法・基準(成績評価の際,重視すること)
期末論文作成を50%として,その他,授業内小レポート・中間試験などを50%として,総合的に評価する。